例えば過ぎる時間をただ一時でも止められたら。 忍者ブログ
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ちいさなおひめさま







マリィには、大好きな人がいる。
マリィよりもちょっとお兄さんの、優しい男の子。






その子がマリィのいる保育園に来るようになったのは、つい最近だ。
毎日来る訳じゃなかったけれど、でも、殆ど毎日やって来る。

マリィはその日が楽しみで楽しみで、男の子が家に帰ると、早く明日にならないかなあと思うのだ。



男の子はとても優しい子で、マリィの頭をぽんぽん撫でてくれる。
メフィストの事も気に入ってくれて、マリィがメフィストを差し出すと、ぽんぽんとメフィストの頭を撫でた。
その時見せてくれる笑った顔が、マリィは大好きだった。





保育園で、マリィより小さな子はいない。
皆マリィより大きくて、立って歩けないのはマリィだけだ。


マリィは、普通の子よりも体が小さい。
同じ二才の女の子と並んでも、一回りも小さかった。

小さいことを、マリィは特別気にしていない。
でも皆と同じ遊びが出来なくて、追いかけっこも出来ないのは、少し淋しかった。
お散歩に行く時も、マリィだって皆と同じように歩きたいのに、いつも舞子先生やマリア先生に抱っこされないといけない。
歩けないから仕方がないけれど、マリィはそれが少し、淋しかった。



いじめられたりしている訳じゃない。
仲間はずれにされている訳じゃない。

皆マリィに優しい。


でも皆、マリィと同じ遊びはあんまりしてくれない。
マリィは皆と同じ遊びが出来ないから、皆にそんなつもりはなくっても、マリィは自分だけ仲間はずれみたいだった。





そんな所に、男の子はやって来た。
龍麻という名前の、優しい顔した男の子。

優しい笑顔と、優しい手。
絵本を読んで貰った時に聞いた王子様みたい、とマリィは思っていた。


龍麻は、マリィと一緒にいてくれる。
マリィが後ろをハイハイしてついて行くと、立ち止まって待ってくれる。
座っている時に膝の上に登ると、頭を撫でて、膝の上にちゃんと座らせてくれる。
抱っこはまだして貰えないけれど、もっと大きくなったらしてあげるね、と言ってくれた。

抱っこもお膝の上に座らせてもらうのも、マリア先生や遠野先生や舞子先生にして貰ったことがある。
でも男の子でしてくれる人はいなくて、それをしてくれた龍麻は、マリィにとって王子様だった。




マリィは龍麻が大好きだ。

小さくたって女の子だ。
これは恋だ、きっと、間違いなく――――だって彼は王子様だ。
お姫様が恋をするのは、優しくて強くて格好いい王子様なんだから。






でも、小さなお姫様の恋は、色々大変なのだ。



























積み木で遊んでいた龍麻の背中に、何かがとんとぶつかった。
それで手元が少し狂って、持っていた積み木が積んでいた積み木にこちんと当たって、がらがら崩れた。
龍麻の眉毛がへにゃりと下がる。

でも怒ったりはしなかった。
背中にぶつかってきた小さな温もりがなんなのか、知っているから。



振り返ってみれば、思ったとおり、小さな小さな女の子。






「どうしたの、マリィ」
「ふあ」






龍麻はマリィを抱き上げて、膝の上に乗せてあげた。
大好きな龍麻のお膝抱っこに、マリィは嬉しそうに笑う。


マリィを抱っこしたままで、龍麻はまた積み木を始めた。
少し動き辛いけれど、小さなマリィを抱っこするのは嫌じゃないから、龍麻は気にしない。

土台を作って、そーっとそーっと、上に筒の形をした積み木を置く。
真剣な表情で積み木をしている龍麻を、マリィは膝の上からじっと見上げた。
いつもふわふわ優しい龍麻の顔が、こんな時はきりっと締まって、マリィにはとても格好良く見える。



マリィにとって、この保育園で一番格好いい男の子は龍麻だった。


醍醐は体が大きくて熊さんみたいで、如月は笑わなくって少し冷たそうで好きじゃない。
雨紋はやんちゃばっかりで落ち着きがないし、亮一はいつも泣きそうで情けなさそう。
壬生は落ち着いているけれど、こっちも如月と一緒で笑わなくって少し冷たそう。
京一はいつも勝手な事ばっかりしていて、よく皆とケンカをするから、乱暴そうで好きじゃない。
犬神先生は大人だけれど、よれっとした服ばっかりで、なんだかだらしがない。

その点、龍麻は優しいし、いつも笑顔を見せてくれるし、乱暴なんて絶対にしない。
マリィの中で龍麻は格別な存在だった。



じっと見上げてくるマリィの視線に気付いて、龍麻が目線を落としてきた。
ばっちり目が合ったマリィは、ぽっと頬を赤くする。






「マリィもつみ木、する?」






龍麻の手でちょっと大きいくらいの積み木は、マリィにはもっと大きい。
でも龍麻と同じ事が出来るのが嬉しくて、マリィは両手で四角い積み木を持った。






「ここにのせてね」






龍麻がそう言って指差したところに、マリィはそーっとそーっと、四角い積み木を置いた。






「マリィ、じょうずだね」






ぱちぱち、龍麻が拍手してくれた。

嬉しくって、マリィは今度は三角の積み木を手に取る。






「それは、ここにおいてね」






さっき乗せた四角い積み木の上を指差して、龍麻が言った。
そーっとそーっと三角を置くと、龍麻はまた拍手してくれた。


大好きな龍麻に褒めてもらうのが嬉しくて、マリィはどんどん積み木を乗せていった。
此処だよ、と指差して教えて貰った場所に、あるだけ積み木を置いていく。

……その内、積み木はなんだかよく判らないオブジェになっていた。


なんだかよく判らないオブジェの正体が何かなんて、マリィはちっとも気にしなかった。
マリィにとって大事なのは、積み木が何の形を作るかと言う事じゃなくて、龍麻に褒めてもらうこと。
龍麻の代わりに積み木を積み上げて、龍麻に喜んでもらうことが何より大事だった。




そうしている間に、マリィがいつもお昼寝している時間になった。
小さなマリィはまだまだ寝ている時間が多くて、ちょっと遊ぶと直ぐ眠たくなってしまう。

でも今日はちっとも眠くなくて、積み木遊びに夢中になっていた。
途中で遠野先生がやって来て「眠くない?」と聞いたけど、マリィは返事をしないで積み木に勤しんだ。
眠たそうな表情もしていないのを確認して、遠野先生は、マリィが寝ちゃったら教えてね、と龍麻に言って他の子を見に行った。


お昼寝なんかより、こうして龍麻と一緒に遊んでいる方がずっと良い。
恋する乙女は一途なもので、マリィは龍麻に褒めてもらえるのと喜んでもらえるのが嬉しくて、とにかく夢中になっていた。



葵が龍麻に声をかけてきた。
何かに龍麻を誘ったけれど、龍麻はマリィと一緒にいると言った。
マリィはその言葉が嬉しくって堪らない。

積み木が一段落したから、マリィは嬉しさを一杯胸に抱いて、龍麻の膝に登った。
龍麻は優しく微笑んでくれて、マリィが落ちないように、きちんと膝の上に乗せてあげる。


龍麻はマリィを優先してくれる。
小さなお姫様は、これがとてもとても嬉しかった。






――――――嬉しかった、けれど。








「……ヘンな形」








積み木を見て言われた言葉に、龍麻とマリィが顔を上げる。
と、其処には動物図鑑を脇に抱えた京一が立っていて。

――――――来た、とマリィは思って、ぷくっと丸いほっぺを膨らませた。






「ヘンな形じゃないよ」
「ヘンだろ。なんだかわかんねェもん、それ」






つんつん、積みあがった積み木の天辺を突付きながら、京一は言った。






「おまえ、ヘンなもんばっか作るのうまいよな」






褒めてるんだか、褒めてないんだか。
マリィにはよく判らなくて剥れたが、龍麻はなんだか嬉しそうだ。




マリィにとって、京一は敵だ。
恋敵だ。



だって、マリィはこんなに龍麻のことが好きで、龍麻もマリィに優しくしてくれるのに、京一が来るとそっちに行ってしまう。
ちょっと前まで龍麻は京一の後ろを追いかけていて、マリィはそれが悔しくて悔しくて、羨ましかった。

京一ちょっと前まで誰とも仲良くしなかったのに、龍麻が来てから変わった。
いつもいつも一緒にいるという訳でもなかったけれど、京一は龍麻には自分から声をかけるし、何かに誘ったりする。
そうすると、龍麻は、他の子と遊んでいても京一を選んで一緒に行ってしまう事が多かった。


恋に恋する女の子にとって、こんなに悔しいことはない。
大好きな人が、自分よりも大好きと言う人がいるなんて、小さくたって焼餅する。



だからマリィにとって、京一は恋のライバルだった。






「もっとかっこいいもん作れよ」
「かっこいいよ、これ」
「どこがだよ。ヘンだぞ、これ」






変だ変だと言われて、マリィはどんどん頬を膨らませた。
龍麻と自分が一所懸命、一緒に作ったものなんだから、無理もない。

でも龍麻はちっとも気にしていないみたいだった。






「きょういちもやる? つみき、たのしいよ」
「いい」






きっぱり断る京一に、マリィはむぅと剥れる。
折角龍麻が誘ってくれたのに! と思うのだ。


積み木は断った京一だったが、龍麻の隣に座って、動物図鑑を開く。






「きょういち、つみきやらないね」
「つまんねェから」
「たのしいよ」
「つまんねェよ。すぐたおれるし」
「ヘタなんだ」
「ヘタ言うな」






龍麻の言葉に、京一が口を尖らせて言った。






「ゆっくりおいたら、たおれないよ」
「いい。どうせやらねェし」
「ぼくはやりたいよ」
「一人でやってろよ」






素っ気無い京一の台詞に怒ったのは、龍麻じゃなくてマリィだ。


それまでじっと黙って龍麻の膝抱っこに身を任せていたマリィだけれど、またそっぽを向いた京一の態度が嫌で、マリィは手を伸ばして京一の服を引っ張った。
ぐいぐい引っ張る力はそんなに強いものではないけれど、それでもマリィの精一杯だ。

京一は怖い顔をしてマリィを振り返った。






「なんでェ、このガキ」






京一は直ぐ怒る。
だから皆とよくケンカをする。
龍麻にだってちょっと前まで凄く怒ったりしていた。

相手がマリィのような小さな女の子でも、マリア先生や犬神先生みたいな大人でも、態度を変えない。
誰にでも怒るし、怖い顔をするし、龍麻とは正反対だ。
どうして龍麻と仲良く話をしているのか、不思議な位に。


でもマリィは京一を怖いとは思わなかった。
怖いより嫌いの方が強い。

だって大好きな龍麻を取るから。




服を引っ張るマリィの手を放そうと、京一が体を捻る。
でもマリィはしっかりと京一の服を掴んでいて、ちっとも放そうとしなかった。
放すどころか、京一の腕をぽかぽか叩き始める。






「てッ、いてッ。なんだよ、おまえッ」






マリィの体は他の子たちよりずっと小さいけれど、一所懸命叩けば、京一もやっぱり痛い。
京一は立ち上がって大きい声で言うと、怖い顔でマリィを睨んだ。

マリィが龍麻にぎゅうとしがみ付く。
龍麻はぽんぽんと優しく頭を撫でてくれた。






「きょういち、マリィがこわがるよ」
「たつまッ! てめェどっちの味方だッ」






龍麻がマリィを庇うのが腹が立って、京一は今度は龍麻を睨んだ。






「きょういち、おにいちゃんなんだから、おこっちゃダメだよ」
「そいつがいきなりなぐって来たんだぞ! なんでオレの方がおこったらダメなんだよ!?」
「だっておにいちゃんだもん」





マリィはこの保育園で一番小さいから、龍麻も京一も年上だ。
だからこんな事で怒っちゃダメだと、龍麻は言う。

でも理由も判らず叩かれるなんて、京一には簡単に許せない。


うーっと怒った犬みたいに唸る京一から隠れるように、マリィは龍麻に抱き着いた。
龍麻はそんなマリィの頭を撫でてくれた――――のだけれど。






「マリィもごめんなさいしよう」
「うぁ?」






なんで?

龍麻の言葉の理由が判らなくて、マリィはきょとんと首を傾げた。
京一は膨れっ面でマリィと龍麻の遣り取りを見ている。






「マリィ、たたかれたらいたいよね」
「いたぃ」
「きょういちもいたかったんだよ。だからきょういち、おこったの」
「しぁなぃ」
「このチビ……」
「きょういち、おこらない」






ぷんっとそっぽを向いたマリィに、京一がまた怒った。
でも龍麻に止められて、今度は京一もそっぽを向いて、開きっぱなしの動物図鑑を持って、顔を隠すみたいに読み始める。






「マリィは、きょういちがキライなの?」
「きぁい!」
「オレもキライだ、チビ」
「きょういち」
「フン!」






京一は図鑑に顔を隠したままだ。
龍麻の方を見もしない。






「ぼくは、きょういちがすきだよ」
「まりぃはきぁい!」






マリィは龍麻は好きだけど、京一は嫌いだ。
龍麻が京一を好きだと言うから、京一が嫌いだ。

小さな体で大きな声で一所懸命に主張するマリィに、龍麻はうん、と頷いて頭を撫でた。






「ぼくね、きょういちがすき。マリィもすきだよ」






笑顔で好きだよと言われれば、恋する小さなお姫様は、ぽわっと頬をりんごみたいに赤くする。






「だからね、ぼくは、きょういちとマリィに、なかよしになってほしいんだ」
「……うぅ」






大好きな龍麻からのお願いだ。
でも、お願いの内容がマリィには嫌だ。

だってマリィは京一が嫌いだ。
龍麻を取るから嫌いだ。



葵や小蒔みたいな子ならまだいい。
あの子達も女の子で、龍麻と仲良くしているとマリィはちょっと嫌だけど、京一の時程じゃない。
葵や小蒔はマリィにも優しいし、龍麻にも優しいから、マリィは葵や小蒔は嫌いじゃない。


でも京一はいつも怒ってるみたいだし、この間まで龍麻にも凄く冷たかった。
今でも冷たい所はあって、さっきだって折角龍麻が積み木に誘ったのに、ちっとも相手にしない。

龍麻が誘ってくれたのに!



だからマリィは、京一の事が嫌いだ。
大好きな龍麻をマリィから取るし、龍麻が誘っても冷たいばっかりだから。




……なのに龍麻は、京一に怒らない。
だって龍麻は王子様で、皆に優しい男の子だから。






「ダメかな?」






マリィは龍麻が大好きだ。
大好きな龍麻は、マリィが嫌いな京一の事が大好きだ。

マリィは京一が嫌いだけれど、だからって龍麻に大好きな人の事を嫌いになってなんて言えない。
そうしたらマリィは龍麻の事を嫌いにならなきゃいけないし、そんなの無理だ。
大好きで大好きで大好きで堪らない龍麻を、嫌いになんてなれる訳ない。



むうと頬を膨らませるマリィに、龍麻は困った顔で笑った。

…そんな顔をされると、マリィはもうイヤだなんて言えなくなる。
だって笑った顔が淋しそうで、マリィは龍麻のそんな淋しい笑顔は見たくない。
マリィが大好きな龍麻の笑顔は、もっと優しい、ふわふわの笑顔なのだから。






「なかよくしてくれる?」
「…………」






こっくり。
マリィは頷いた。

頭をぽんぽん撫でられる。



龍麻はマリィを膝抱っこして、京一と向かい合った。
図鑑で顔を隠していた京一が、ちょっとだけ顔を上げる。

京一とマリィの目が合った。






「はい、マリィ」







促されたけれど、マリィはどうしても顔が変になってしまっていた。
龍麻のお願いは聞きたいけれど、やっぱり直ぐには無理だ。
だって大嫌いだし。

でも――――このまま黙っていたら、大好きな龍麻に嫌われるかも知れない。
そっちの方がマリィは嫌だ。






「………ごめんなさぃ」






ぎゅうと龍麻に抱きついて、口の先っぽを鳥みたいに尖らせて、それでもマリィは、ごめんなさいを言えた。
言ってすぐにぷぃっと視線を逸らして龍麻の胸に顔を埋める。


京一は、しばらく何も言わなかった。
でもこっちを見ているのは判った。

そうして、京一もマリィも龍麻も、じっと黙っている時間が続いてから、







「……おこってわるかったな」







言う雰囲気はいつもと同じ、ちょっと怖い感じ。
やっぱり京一は、龍麻みたいに優しく喋ってくれない。

でも、ちゃんと謝ってくれた。


マリィが京一の方をちらりと見てみると、京一の顔はもう本で隠れていた。
大きくて重い図鑑を両手だけで浮かし上げて読んでいる。
子供にはまだ重い図鑑を持った腕が、ぷるぷる震えているけれど、京一は図鑑を下ろそうとはしなかった。



ぽんぽん。
龍麻がマリィの頭を撫でた。







「ありがとう、マリィ」







マリィが顔をあげれば、其処には嬉しそうな龍麻の顔がある。
マリィの大好きな、ふわふわ優しい龍麻の笑顔が。













大好きな人がこんなに喜んでくれるなら、大嫌いな子でも、ちょっとは好きになれるかも知れない。















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マリィvs京一の勝敗は、龍麻の一人勝ちです(笑)。

マリィは京一にやきもち焼いて、京一に色々イタズラしたらいい。
京一は、龍麻との事は別にそれ程気にしてないけど、ちょっと意地になって張り合ったらいい。

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おじいちゃんのおにわ








「でやーッ」
「たぁッ!」
「やッ!」
「うりゃぁあッ」







元気な掛け声と共に、ぱしんぱしんと竹の打ち合う音。
中庭から鳴るそれを耳にしたマリア先生は、一つ溜息を吐いて音のする方向へと向かった。



真神保育園の子供達は今、保育園からバスで5分の場所にある、織部神社に来ている。
社会見学の一環であり、これは月に二回の恒例行事で、子供達は此処に来ると境内や本殿・拝殿の掃除を手伝う。


織部神社は、保育園に預けられている雪乃・雛乃姉妹の実家だ。

だが現在神主を務めているのは姉妹の両親や祖父母ではなく、その友人の荒井龍山先生だ。
長い髭を蓄えた荒井先生は、威厳もありつつ、子供達にはとても優しいおじいちゃんだった。


子供達は、宗教の事はよく判らない。
けれども広い境内や本殿はとても開放的で、掃除を面倒臭がる子はいても、此処に来る事は皆嫌いじゃない。

まだハイハイしか出来ないマリィは手伝いらしい手伝いは無理なのだが、荒井先生の心を和ませるのに一役買っている。
他の子供達は子供用に短い箒やちりとりを使って、織部姉妹の真似をしながら掃除に励んだ。
きちんと掃除が出来たら、後で美味しいお菓子がご褒美に待っているのだ。




……しかし、そんな事より今すぐ遊びたいと言うやんちゃな子供はいるもので。






「コラ、其処! 遊んでないで今は掃除の時間よ!」






マリア先生がそう言って睨んだ向こうには、チャンバラごっこで遊んでいる京一と雨紋。
雨紋の傍には亮一がいて、此方はチャンバラごっこに参加してはいないものの、雨紋と元気に遊ぶ京一を羨ましそうに見ている。

怒られた二人はチャンバラに夢中になっていて、マリア先生の声なんて聞こえちゃいない。






「めーんッ!!」
「いてッ!」






ぱかん、と軽い音がして、京一の振り下ろした箒が雨紋の額にクリーンヒットした。
雨紋は赤くなった額を押さえて、唇を尖らせる。






「ちくしょー、またきょーいちのかちかよォ」
「へへッ、剣ならまけねーぞ」

「そういう問題じゃないのッ」






自慢げに胸を張る京一と、剥れた顔の雨紋の頭を、マリア先生はペシンと叩いた。






「いてーッ!」
「何すんだよ、マリアちゃん!」
「マリア先生よ。今は掃除の時間なんだから、きちんとやりなさいッ」
「……へーい」
「……はーい」






マリア先生に怒られて、二人は綺麗にハモって返事をした。
いつもは優しいマリア先生だけれど、怒る時は怖いとちゃんと覚えているのだ。


くるりと方向転換したマリア先生の目に、箒を握ったまま棒立ちになっている亮一が飛び込んできた。
亮一もマリア先生が自分を見た事に気付き、びくっとして、慌てて掃除を再開させる。
マリア先生に怒るつもりなんてなかったのだけれど、気弱な亮一は仕方がない。

マリア先生は亮一に歩み寄ると、ぽんぽんと頭を撫でてやる。
目線を合わせると亮一は微かに笑ってくれて、マリア先生も笑みが漏れた。



境内の方から遠野先生がマリア先生を呼ぶ声がした。
マリア先生はやんちゃっ子二人がきちんと掃除しているのを確認して、境内へと駆けて行く。

――――本殿の角を曲がってマリア先生の姿が見えなくなると、京一と雨紋は再び箒を構えた。






「こんどは負けねェぞッ」
「へッ、オレにかてるもんかよ!」






負ける訳ないと言う京一の表情は、確かな自信に裏打ちされているものだった。
京一の実家は、今は閉まっているけれど都内でも大きな剣術道場で、父は師範を務めていた。
門下生達の稽古風景を物心着く以前から見ていた京一は、箒を構える形だけでも、他の子供とは違う。



掛け声を上げながら再び試合を始めた二人に、亮一はどうしよう、と箒を履く手を止めて立ち尽くした。
さっきもこんな調子で、亮一はマリア先生が来るまで棒立ち状態だったのである。


あまり活発な性格ではない亮一にとって、雨紋と一緒になって遊べる京一の存在は羨ましい。
雨紋はいつも亮一の手を引っ張って、自分はそれに引っ張られて、京一のように元気に遊ぶことは出来ない。
…出来るのだろうけれど、自分に自信が持てない亮一は、どうしても積極的にはなれなかった。



雨紋と亮一の家庭は、極端な言い方をすれば、痛々しいものだった。
雨紋の両親は同居離婚状態で、亮一の親は父が母に暴力を振るい、亮一にもそれは及んでいた。
両親の冷え込みから逃れるように雨紋の意識は外に向かい、反対に亮一は物音一つ立てないように、家の前で蹲っているのが常だ。

一人で外を歩き回っていた雨紋が、家の前で蹲る亮一を見つけた事から、二人の関係は始まった。

それからしばらくは二人で遊んでいたのだが、亮一の父が酒に酔った暴力で、母が入院することになった。
入院先は岩山先生の病院で、其処でようやく、家庭内の虐待の事が明るみに出た。
岩山は雨紋も含め、保護預かりも行っている真神保育園に連絡し―――――今現在に至る。


当初の頃に比べれば亮一も少しずつ自分の意見を言えるようになって来たが、まだまだ雨紋がいないと怖いらしい。
また、虐待されていた事もあってか、痛みに人一倍敏感だった。

そんな亮一にとって、チャンバラごっこはなんだか怖い遊びに思えたのだ。
叩かれたら痛い、叩いたら痛い――――そんな遊びは、怖くて出来ない。
でも二人はいつも楽しそうだから、羨ましいと思う。




と言う事よりも―――――今は、掃除の時間な訳で。

さっきマリア先生に怒られたばかりだから、今は掃除をした方がいいんじゃないかな…と思うのだ。
でも楽しそうな二人を邪魔する気にはならないし、生来の引っ込み思案が邪魔をして、それを言えない。
言った所で、二人はヘーキヘーキと笑うだろうが。






「でやぁッ」
「ていッ」
「せやッ!」






京一の箒が雨紋の箒と十字でぶつかり合う。
んぎぎ、と二人は踏ん張りあった。

京一は箒の持つ手を変えて、ぐっと強く箒を押した。






「でぇいッ!!」






気合の雄叫び一本、京一は箒を押し上げた。
雨紋が万歳の姿勢になった瞬間、箒を下から上に向かって振り上げる。

ぱかぁん、と軽い音がして、箒は弧を描いて宙へ飛んだ。



飛んで、それから。






「あ、ヤベ」
「亮一!」






慌てた二人の声に、亮一はきょとんと首を傾げ―――――そんな子供の頭に、ぱかんと硬いものが落ちてきた。

落ちてきたのは勿論箒で、当たったのは柄の部分。
そこそこ硬い。





じわぁ、と亮一の瞳に大粒の涙が浮かんだ。






































大人でも広い拝殿は、小さな子供には益々広い。
広大と言う言葉が正に似合う。

それを端から端まで雑巾がけするのは、かなりの重労働である。


中庭の掃除を真面目しなかった罰として、マリア先生から京一と雨紋の二人はこの仕事を任された。
抗議はしても、こういう事にはしっかりと厳しいマリア先生は容赦してくれない。

とは言っても流石に、本当に子供だけで拝殿の掃除をさせる訳ではない。
織部神社で修行をしていると言うお坊さん達にとっては、掃除も勿論修行のうち。
小さな体で頑張る子供達の見本になるように、子供二人と数人のお坊さんが並んで、拝殿の雑巾がけをするのだ。



けれども、やっぱり広くても立って出来る掃き掃除に比べると、この雑巾がけは半端なく辛い。






「………っだ~~~~ッ」
「つかれたー!」






端から端へ、隅から隅まで、くまなく全部。
終わった頃には小さな子供二人はぐったりとしていて、雑巾を片付けるのも忘れて床にべたっと突っ伏した。

お坊さん達は怒る事もなく、自分の雑巾と子供達の雑巾を拾って水場へと向かう。
彼らいなくなると、拝殿にはもう京一と雨紋しか残っていない。


曲げっぱなしの背中と腰が痛い。
あと、足も痛い。

でも自業自得なのはちゃんと判っていた。



とたとた足音がして雨紋が顔を上げると、廊下に繋がる木戸から、ひょっこり顔を出している亮一を見つけた。






「亮一、そーじおわったか?」
「うん。らいとも、おわった?」
「さっきおわった」






終わったと聞いて、亮一はそろそろと拝殿に入って来た。






「ごめんな、なかにわ、一人でやらせちまって」
「ううん。ぼくもごめん。らいともきょういちも、わるくないのに」
「…んなことねーよ」






亮一の言葉に、京一は床に寝転がったままで言う。



京一が放った一撃で、雨紋の持っていた箒は飛んで、亮一の頭の上に落下した。
痛みに敏感な亮一が大きな声で泣き出して、それからマリア先生が飛んでくるまで時間はかからなかった。

京一と雨紋はマリア先生にこってり絞られた後、拝殿の雑巾がけを言い付けられた。
その時亮一はまだ泣いていて、二人は悪くないと言いたくても言えず。
自分が泣いた所為で二人が怒られたと思った亮一は、中庭の掃除を少しでも早く終わらせて、雑巾がけを手伝いに行こうと思っていたのである。


―――――その気持ちだけで嬉しくて、京一と雨紋は顔を合わせて笑う。
むず痒くなった鼻の頭を掻きながら。






「いいんだよ。どーせマリアちゃんにもっかい見つかってたら、コレやるハメになってただろうし」
「だな。だから亮一のせいじゃねェよ」






ぐりぐりと雨紋に頭を撫でられて、亮一はようやくホッとした顔になる。
それから、そうだと手を打って、






「みんなも、そうじおわったみたい。おやつだって」
「やりィ! 行こうぜ」






亮一の言葉に、雨紋が跳ね起きた。
立ち上がると亮一の手を引っ張って、廊下を慌しく走って行く。

京一は置き去りの形になったが、特にそれについて気にしてはいなかった。



雨紋と亮一は、あのまま他の子供達のいる部屋に向かうだろう。
ご褒美のおやつを食べる部屋はいつも決まっているから、迷うような事はない。

けれど、京一は大抵、その輪の中に加わる事をしなかった。
だから雨紋は京一を置いていったし、京一もそれに怒る事はない。


おやつは――――そんなに欲しくはない。
魅力を全く感じない訳ではなかったけれど、それがあるから頑張ろうと言うのとは違う。
腹が減っていたら食べに行くけど。

………そう思ったら、ぐぅ、と腹の虫が鳴った。






(………とりに行こ)






食べに行く、ではなく。
貰ったら直ぐに部屋を出るつもりで、京一は雑巾がけ開始から久しぶりに立ち上がった。

廊下へと続く戸口を潜って――――敷居を一歩跨いで、京一はあるものを見つけて足を止める。






「なにしてんだ? たつま」






拝殿内からは木戸の陰になって見えなくなっていた場所。
其処にきちんと膝を抱えて三角座りをしている龍麻。

名前を呼ぶと、龍麻は立ち上がって、嬉しそうに京一に駆け寄ってきた。






「あめ、もらったよ」
「しってる。そうじおわったんだろ」
「うん。きょういちもおわったよね」






京一が頷くと、龍麻はポケットから飴や小さな煎餅を取り出した。
多分、今日のご褒美のおやつで出されたものだ。






「これ、きょういちの」
「…いい。もらってくる」
「あげる」






京一の言葉を聞かないで、龍麻は京一の手に飴や煎餅を詰め込んだ。
入りきらなくてバラバラ零れても気にしない。


顔を見れば龍麻はにこにこ笑顔。
いらないと突き返したら、多分、このにこにこ笑顔は引っ込んでしまうんだろう。
なんとなくそれは嫌で、京一は貰った飴と煎餅と、床に落ちたそれらを拾ってまとめてズボンのポケットに突っ込んだ。

そうすると、龍麻はもっとにこにこ笑顔になった。



くすぐったくなった頬を掻いて、京一は皆のいる部屋とは反対を向いた。






「あっちでくおうぜ」
「うん」






指差したのは、拝殿の入り口の階段。
京一は前も其処に座って、一人でお菓子を食べていた。

龍麻は、皆の所に戻るとは言わないで、京一の後ろを嬉しそうについて来た。




春の暖かい風が吹き抜ける。

昼寝するには持って来いの様相に、龍麻は時々欠伸が漏れた。
京一も、こう言う日はお気に入りの木の上で昼寝をするのが好きだ。


でも今は昼寝よりもお腹が空いていたから、ご褒美に貰ったお菓子の包みを早速開ける。
ぱりぱりと景気の良い音が鳴って、まだ小さいけれど元気な胃袋は嬉しそうに食べ物を吸収していく。

保育園のおやつの時間に用意されるお菓子も美味しいけれど、此処で貰えるお菓子も美味しい。
新井先生はどこどこの何菓子で―――と説明してくれるのだけれど、京一はまるで覚えていない。
他の子もそれは同様で、ちゃんと聞いて覚えているのは如月と壬生くらいのものだ。
あと、時々醍醐が興味を示している。



拝殿は勿論、境内も、それらを繋ぐこの階段も、掃除したばかりの場所だ。
だからゴミが散らばらないように気をつけて、オカキ小さなカスはなるべく土の上に落とすようにした。
折角くたくたになるまで頑張って掃除をしたんだから、まだゴミは出したくない―――ちょっと出ているけど。



煎餅がなくなると、今度は飴だ。
京一がポケットから飴を取り出すと、それは殆どイチゴ味の飴で一杯になっていた。

龍麻はイチゴ味のお菓子が大好きだ。
だから京一にお菓子を渡す時、自分の好きなお菓子を渡したくなる。
京一は別に嫌とは思わない、なんでも貰って口に入れた。


でも、イチゴ味ばっかりだと京一は流石に飽きてくる。
そうなるとイチゴ味ばかりの中から違う味を探し出して、口に入れた。





ギシリ、板の軋む音がした。
廊下の板が鳴ったのだ。

龍麻が何気なく振り向くと、見覚えのないおじいさんが立っていた。






「よう、ガキども」






サングラスにジャンパーにGパン。
服装は若いけれど、顔には一杯皺があって、新井先生程ではないけれど顎鬚がある。

新井先生に比べると少し怖い印象を感じて、龍麻は京一に擦り寄った。






「おじいさん、だれですか?」






龍麻が訊ねる。
おじいさんは龍麻と京一から少しだけ距離を取って、階段に腰を下ろした。






「俺ァ楢崎道心ってんだ。龍山と腐れ縁の不良ジジィさ」
「ふりょう……?」
「で、そのふりょうジィさんがなんか用かよ」






耳慣れない単語に龍麻が首を傾げている間に、京一が硬い口振りで道心のおじいちゃんに問う。






「いや、何。俺ァ久々に此処に寄ったんだがな、随分賑やかでどうしたもんかと思ってよ」
「……そーいや、ジィさん見たことねェ」
「だろう。まさか此処がガキ共の遊び場になってるとはな。ま、織部の孫が行ってる保育園と聞きゃ納得したが」






本当に、此処に来たのは随分久しぶりのことだったのだろう。
京一も龍麻も、真神保育園に通うようになってからそう長い日が経っていないとは言え、織部神社での掃除の手伝いは週に一度の恒例行事。
既に何回か此処には来させて貰っているけれど、目の前の老人の顔は初めて見る。

他の子供達は知っているのだろうか、この老人の事を。
口振りからして、雪乃と雛乃は知っているらしい感じはするけれど。


道心のおじいちゃんは、ジャンパーの内ポケットから煙草を取り出し、火をつけた
くすんだ煙が空気を燻らせ、風に流されて消える。

昔からガキ好きではあったがなァと、道心のおじいちゃんはしみじみ呟いた。






「そんで――――お前が緋勇のとこのガキだってな」






龍麻の目を見て、道心のおじいちゃんは言った。
ぱちりと龍麻が一度瞬きして、道心のおじいちゃんの顔を見詰め返す。






「お父さんとお母さん、知ってるんですか?」
「ああ。それと、お前ェさんとも逢った事があるんだぜ。赤ン坊の頃だがな」
「……おぼえてないです……」
「そりゃあそうだ」






へにゃりと眉毛をハの字にした龍麻に、道心のおじいちゃんは笑いながら頷いた。


隣で話を聞いている京一も、そりゃそうだと思う。
最後の飴を口の中に放り込んで。

もごもご舌で飴を転がす京一を、道心のおじいちゃんが覗き込む。






「で、お前ェが蓬莱寺ンとこの倅だな」






ぴくり。
道心のおじいちゃんの言葉に、京一の頭が揺れた。

次に京一が顔を上げた時、其処には以前、龍麻がよく見ていた色が浮かんでいた。
相手を近付けないように警戒している色と、その裏側にある淋しい色。
龍麻と一緒に過ごすようになってから、少しずつ見なくなっていた色が、また。


龍麻の胸の奥がぎゅうと痛くなる。
京一のこんな顔を見ると、何度だって痛くなるのだ。



皺だらけの道心の手が京一の頭をぐしゃぐしゃと掻き撫ぜる。
龍麻にしたよりも少し乱暴な手付きだったが、サングラスの奥の瞳を見れば――見辛かったけれど――優しいもので。






「お前ェのトコは今は大変だろうがな。こういう事は、そう長く続くモンでもねェから安心しろや」
「…別になんでもねェや、こんなこと」
「ガキがナマ言うんじゃねェよ」






何の事を言っているのか、龍麻には判らない。
だが京一の表情を見ていると、何の話と訊く気にはならなかった。
――――多分、教えてくれないだろうとも思う。


頭を撫でる道心のおじいちゃんの手を、京一は押し退けた。
が、直ぐにまた伸びて来て、ぐりぐりと上から押さえつけるようにして撫でられる。






「何すんだよ、ジジィ!」
「おっと」






噛み付く勢いで怒鳴られて、道心のおじいちゃんは手を引っ込めると、そそくさと立ち上がる。






「おお、今日日のガキは手が早ェな。怖ェ怖ェ」
「てめェにげんな!」






怖いと言いつつ、道心のおじいちゃんの口調や態度はそれを裏切っていた。
面白がっていると、龍麻や京一でも判る。

道心のおじいちゃんは二人に背中を向けると、ひらひら手を振って拝殿の角を曲がっていった。
怒った京一が追い駆けようとしたが、龍麻に止められて敵わないまま、京一は剥れてまた階段に座った。






「なんでェ、あのジィさん」






苦々しげに呟く京一に、龍麻は曖昧に笑うしかない。
その笑った顔がまた京一を怒らせるものだったから、ぱかんと拳が龍麻の頭を叩いた。

それでも、龍麻は笑ったままだ。












だって、優しかった。
見た目はちょっと怖そうだったけれど、あのおじいさんも優しかった。

頭を撫でたしわしわの手は、お父さんやお母さんや、マリア先生と一緒で。



隣で赤い顔をしている友達も、ちゃんとそれを判ってる。

















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京一はもうちょっと皆の中に溶け込んでいけないようです。
意地っ張りな子だから、今までの態度の引っ込みがつかなくなってるのかも。
でも多分、龍麻と一緒だったら少しずつ近付いて行けるかな。

楢崎じいちゃんが結構好きです。子供と一緒のレベルで遊んでくれそう。

短編


京一独自設定


龍麻×京一
基本は自然体でラブラブ
龍麻は時々黒が出ます

八剣×京一
ツンデレと何処までも寛容する大人
荒んでる京一がいたりします

京一受
龍京・八京以外の京一受
大体一方通行気味

京一主体
幼少期・中学時代など
『女優』の人々以外に、家族捏造も


拍手rog
ネタ粒rog
記念





京一受




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To shoot the general, shoot his horse first
龍治→京一。アニメ二幕第八話。
君の光も影も呑み込んで。

Degeneration Sun
吾妻橋→京一。
薄汚れた世界で、失われない強烈な光。






京一




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It is great, and it foolish father 前編 後編
京一幼少。二幕三話。捏造。
大嫌いで――――憧れで。

Preta-loka
京一中学時代。痛/暗。
此処は現世に近い、地獄の世界。

Ailuropoda melanoleuca
チビ京一。家族捏造。独自設定。
一度で良いから逢いたかった。