例えば過ぎる時間をただ一時でも止められたら。 忍者ブログ
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08 み










身一つあれば十分だ。









ボロボロの袋と。
ボロボロの服と。

ボロボロの拳と。


それだけあれば十分なんだ。




何も失うものなどないし、何も恐れるものなどない。
なくして悲しいものはあっても、全てを恨みたいと思う程の怨嗟もない。
過去には確かにあったけど。

今も確かに、消えた訳ではないけれど。


それでもボロボロのこの体一つあれば、何も恐れるものなどない。



貰ったものは捨てていない。
得たものも忘れてはいない。

でもそれらは皆、この目に見えないものばかり。
背中で背負って、重みに堪えながら歩き続けていくものばかり。
捨てない為には、忘れない為には、この身一つあればいい。





それはこの背に、

それは肩に、

それは腕に、


それは拳に、



己を形成するもの全てに結合されて消えはしない。






だから、この身一つあればいい。

失わない為に。
捨てない為に。
自分自身が消えない為に。




ボロボロの袋と。

ボロボロの服と。



歩き続ける為の足と。

打ち壊す為の拳と。

この背に背負った悪一文字。


それだけあれば十分だ。












全てはこの身の内にあるから。













----------------------------------------
“身”。

熱い一面もあれば、ドライな所もあって、ストイックな事を言う事もあって。
時々凄く現実的な所があって、子供みたいに意地になる所があったりもして。
それが全部“左之助”だと思うと、この人の魅力は翳らないなぁと思います。


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