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今日も今日とて、神谷道場は騒がしい。
弥彦の修行の声、薫の怒鳴る声があるので絶えず賑やかな道場ではあるが、今日は其処に一人プラスされている。
薫の出稽古の稼ぎで臨時収入があったので、今日はスキヤキという豪華な夕食となり、
こりゃ良い時に来たと左之助は遠慮なく(最初からしていたか怪しいが)箸を伸ばし、弥彦と取り合いになっていた。
時折行儀が悪いと薫が注意したが、食べ盛りの子供と図体のでかい子供のような男はちっとも取り合わない。
それを見つめているのは剣心で、薫から「剣心も何か言って!」と二人を指差され、苦笑する。
言った所で聞かないと判っているのは薫も同じだろうが、言わずにはいられないのだろう。
また薫に、それらを放っておけと言うのも無理な話であった。
今も大きな肉を左之助と弥彦が取り合い、箸先で取り合う二人に薫の激が飛ぶ。
「てめぇ左之助! オレは育ち盛りなんだぞ、譲りやがれ!」
「へっ、甘ぇ事言ってんじゃねえよ。お前こそ年上を敬いやがれ!」
「あー煩い! 行儀悪いって言ってるでしょ、やめなさーい!」
「まぁまぁ、薫殿……お主も落ち着くでござるよ」
宥める剣心の声など、まるで三人には聞こえていない。
少年期特有の弥彦の声はよく響き、左之助はそれに負けじと大きな声を出す。
薫がそれに負けまいと更に声を上げて怒鳴るものだから、剣心の声はそれの五分の一にもならない。
よって、穏やかに宥めようとする剣心の声は、他三名の声に完全に埋もれてしまうのだった。
左之助と弥彦の端で両端を摘まれ、二人に引っ張られていた肉。
大岡越前宜しくの強さで彼等は引っ張り合っている。
あれは先に手を離した方の勝ちだった、しかしこれは決してそのような勝負ではない。
それの通りに、引っ張られる肉を哀れんだりして箸を離せば、あっという間に相手の胃袋の中。
目をつけていた肉を簡単に相手に許してなるものかと、二人は顔を突き合わせ、箸を握る手にも力が篭る。
結果、先に根を上げたのは奪い合う二人ではなく、引っ張られている肉の方。
二人の力にもう勘弁してくれとばかりに、肉は丁度真ん中から真っ二つに裂けてしまった。
「うおっ」
「あてっ」
真ん中で力の拮抗を司っていたそれが役目を放棄し、二人は後ろ向きに倒れた。
頭を床に打ちつける音がする。
「いって〜」
「あー! 千切れちまった!」
「当たり前でしょ! 全く、意地汚いんだから」
打った頭を擦る左之助、半分になった肉に嘆く弥彦に、呆れた薫が言った。
「左之、大丈夫でござるか?」
「あー、問題ねえよ」
のろのろと起き上がる左之助に、剣心が問い掛ければ、いつもの返事。
しかし打ち所が少々悪かったのか、左之助は軽く目を回していた。
生来の自慢できる打たれ強さを誇る左之助にしては、実に珍しいことである。
それでも二、三度頭を振ればスッキリしたらしく、そんなになっても箸に掴んでいた肉をタレに浸して口に運ぶ。
手に入れたのは狙っていた本来の大きさの半分となったが、獲物が手に入った事は満足らしい。
弥彦の方は心底残念がっていたが、薫が次の肉を足すとコロリと機嫌を直してぱくついた。
気持ちが良い程の勢いで食べる弥彦に、剣心は小さく笑みを浮かべた。
だが、ふと感じた隣の気配に心中で首を傾げる。
ちらりと横目で隣の青年を見遣ると、左之助がいる。
左之助はコロリと機嫌を直した弥彦に、現金だなんだと言いながら、自分もまた鍋に箸を伸ばしていた。
いつも通り。
いつも通りの左之助だ。
……剣心以外が見れば。
―――――――左之……
喉を詰まらせて、苦しがる弥彦に腹を抱えて笑う左之助。
呆れて叱る口調になりながら水を探す薫に、冷えた自分の茶を差し出す左之助。
受け取った茶を飲み干す弥彦の背中を叩く薫を、母のようだと揶揄う左之助。
いつも通りの左之助だ。
“いつも通り”の。
“いつも通り”で“いようとする”左之助だ。
こんな賑やかな情景の中に、左之助は確かに溶け込んでいた。
けれども、気の良い仲間を見つめるその瞳に、あのぎらぎらとした強い光がない。
「嬢ちゃん、この肉固くなるぞ。食って良いな」
「弥彦! あんたはもっと落ち着いて食べなさい!」
「だって左之助が全部食っちまうだろ!」
「おいコラ、そりゃオレが狙ってた肉じゃねえか!」
「オレが先だ!」
「いーや、オレだぜ」
「弥彦! 行儀悪いから止めなさい! 左之助もいちいち揶揄わないでよ」
早くも第二戦となっている弥彦と左之助。
いい加減にしなさいと薫は言うが、二人はまるでお構いなし。
と、今度は早く決着がついた。
左之助がぱっと箸を離し、その肉は弥彦のものとなる。
喜ぶ弥彦を尻目に、左之助は鍋の下に潜っていた大き目の肉を取った。
「へっ、オレの勝ちだな」
「あっ、ずりぃ!!」
「そっちのはやるよ。感謝しな」
「くっそー!!」
地団駄踏みそうな弥彦を、薫が押さえつけて留めた。
肉と一緒に白飯のお代わりを催促する弥彦に、薫が溜め息を吐きながら応じた。
もう負けてなるかと、弥彦の食事のペースが上がる。
がつがつと食べる弥彦に一同は呆れ、苦笑を浮かべていた。
それは見つめていた剣心も例外ではない。
生意気なぐらいが丁度良い年頃だ。
ムキになって意地になって、一所懸命になって、そんな弥彦に剣心は笑む。
―――――と、そんな時だった。
「どうしてェ、剣心」
「む?」
茶を飲んでいる所に、左之助が声をかける。
湯飲みを床に置いて隣を見遣れば、勝気な眼差しが剣心を見ている。
「どう、とは…?」
「いや。いつにも増して静かにしてやがっから」
「そうでござるか? 拙者はいつも通りでござるよ」
そうか? と問う左之助に、剣心は頷く。
「寧ろ、周りの方がいつにも増して騒がしいと言うか……」
「あぁ、嬢ちゃん声がデケェからな」
「それだけではないと思うが」
あくまで自分の騒がしさは蚊帳の外でいるつもりの左之助に、剣心は眉尻を下げた。
だが左之助は構う事無く、クツクツと面白そうに笑っている。
十九歳にしてはまだ幼さの目立つ笑い顔だった。
そして剣心が思い出すのは、あの川原で見た景色。
……………どうかしているのは、お主の方ではござらんか……?
思ったことを剣心が口に出すことは最後までなかったが、剣心にはそう思えてならない。
出逢ってから、左之助はずっと真っ直ぐに背中を伸ばしていた。
喧嘩屋として初めて逢った時も、相対した時も、左之助の性根は何処までも真っ直ぐで正直で。
確かにほんの少し歪んだ部分はあったかも知れないけれど、それは人として当たり前の部分。
幼心に抱いた傷を、流した涙の悔しさを拭おうとして、必死になっていた結果。
剣心が一人京都に赴き、警察署で再会を果たした時も、左之助は真っ直ぐ背中を伸ばしていた。
問答無用で殴られた後、清々しそうに笑った左之助の顔を、剣心は今でも鮮やかに思い出すことが出来る。
負けず嫌いの左之助は、いつも背筋を真っ直ぐ伸ばす。
自分自身を誇れるように、何より自分に負けない為に、強い自分になる為に。
でも。
――――――あの時、お主は………―――――――
彷徨った右手を、剣心は忘れられなかった。
風に吹かれて飛んだ草笛を、左之助は掴もうとして止めた。
一瞬、確かに届く距離にあった筈なのに。
伸ばした手が下ろされる時、僅かに揺れたことに気付いたのは剣心だけだろう。
お世辞にも上手いとは言えなかったけれど、あの草笛の音は何処か優しく、切なかった。
それは左之助の、きっと今でも癒えない傷を、ほんの少し垣間見せたような気がしてならない。
左之助にとって一番大切で、一番穏やかで、一番悲しかった、思い出を。
けれど、なんでもなく振る舞う左之助にそれを問うことは、剣心には出来なかった。
無理にでも暴いて吐き出してしまえと左之助ならば言えたかも知れないけれど、自分は彼ではない。
笑顔の裏にそっくりそのまま隠してしまった傷跡を、相手を傷付けずに表に引き出す術を、剣心は知らなかった。
―――――左之助――――――………
絶えない笑い声。
消えない笑顔。
その裏に、何を押し隠そうとしているのだろう。
てんでバラバラな長さの話。
場面転換毎に一話…かな?
「よう」
神谷道場の夕餉時、やってきた男は常と変わらぬ所作で挨拶をした。
それを出迎えたのは修行をしていた弥彦で、滑り落ちる汗を拭いながら、同じように「おう」と返した。
無沙汰になるのか、左之助はよく何かを口に食んでいる。
それは道端に生えている雑草だったり、飯時に食べた魚の頭だったりする。
今日は草だった。
その草を目にした弥彦は、ふと昼間の情景を思い出す。
川原に一人佇み、草笛を鳴らしていた――鳴らしていたのは見えなかったけれど―――左之助の背中を。
いつもの左之助だよな。
ぷっと草を吐き捨てる左之助を見上げ、弥彦は思った。
あの時寂しげに見えた背中だったけれど、目の前に立つ男は見慣れたままの姿だ。
此処に来た目的だって、最早習慣にもなっている集りである事は間違いないだろう。
今日一日吹き続けていた柔らかな風は今も変わらず、左之助の赤い鉢巻を揺らしている。
腹に巻かれた晒しも相変わらず、汚れが少々目立つ白半纏も相変わらず、
背中を見れば、背負った悪一文字も変わらず其処にあるだろう。
何も変わったことなどない筈だ。
―――――だのに、あの頼りない背中が忘れられない。
「ん? なんでえ、じろじろ見やがって」
上から下まで、観察するように見る弥彦に気付き、左之助は片眉を上げた。
目付きが鋭いのに怖い印象を覚えないのは、弥彦が見慣れてしまったからか、それとも本気を含んでいないからか。
恐らく両方だろう。
「いや、別に」
「そうかよ」
弥彦の言葉に、左之助も然程気になっていた訳ではなかったらしい。
それだけ言うと、勝手知ったる道場の中へと入っていく。
弥彦はそれを追い駆けず、竹刀を持ったまま、道場に上がる左之助の背中を見つめていた。
“悪一文字”は、やはり其処にある。
棚引く赤い鉢巻も。
広い背中も、其処にある。
川辺で見た、頼りない翳は何処にもない。
負けず嫌いで頼れる兄貴分、そんな背中があった。
なのに何故、あの背中が頭から離れないのだろうか。
………物珍しかっただけだよな。
行き着いた答えは、弥彦を納得させるには十分な代物だった。
普段見ないものを見つけた時、それは初めて見たという鮮烈さから頭の中に強く残る。
それがほんの一瞬のものであっても、たった一度のものであっても――――否、だからこそ。
優しい人が怒った時のように、いつも怒っている人に優しくされた時のように、
たった一度だけしか見ていない場面だけれど、焼き付けられたイメージは忘れられなくなるのだ。
料理がてんで駄目(当人は否と言うが)な薫が、時々美味い飯を作れば、やるようになったなと思う。
人に飯を集ってばかりの左之助が、奢ると言えば周りは驚く。
とにかく、そんな風に、ほんの一瞬の出来事ではあるけれど、常と違うものを見るとそうなってしまうものなのだ。
いつも強い背中を見ていた。
弥彦の中で一等強いのはずっと剣心であるけれど、左之助は別の意味で強い。
喧嘩屋をしていた間は負け無しだと言うが、それも嘘ではないだろう。
弥彦が知っている限り、左之助が負けた相手はたった一人だけ。
それも左之助は越えようと、強くなろうとしている。
剣心の隣に並ぶ背中は、いつも自信に満ち溢れて、真っ直ぐ前を見つめていた。
時折肩越しに此方を見遣る瞳もやはり自身に満ち、揶揄いながら弥彦に発破をかける。
優しく諭す事などしないけれど、蹴倒す勢いで背中を押す事を躊躇わない男。
剣心とは違う、ギラギラと強い光を持つ男。
それが明神弥彦がよく知っている、相楽左之助だった。
だから、あの川原で見た情景を忘れることが出来ないのだ。
(大体、迷子みたいだなんてねぇよな。こんな奴に)
土間の方から聞こえてくる薫の怒鳴り声に耳を塞ぎつつ、弥彦は思い、うんうんと頷いた。
草笛なんかを吹いていた。
一人であんな場所にいた。
ほんの少し、寂しそうな背中。
本人曰く、おセンチな性格ではないと言うけれど、時にはそんな気分になる日だってあるだろう。
大方、博打で負けたとか、つまらない喧嘩を買ってしまったとか、そんなものだ。
あの豪放磊落だって、たまには落ち込む事もあるだろう。
夕闇に染まり始めた空に空腹を覚えて、弥彦は夕餉の催促をした。
弥彦視点。
るろ剣のキャラは皆難しいなぁ……
大好きだった。
撫でてくれる手も、見つめる優しい眼差しも。
大好きだった。
繋いでくれた手も、ほんの少し儚く見えた柔らかな笑みも。
大好きだった。
大好きだった。
守りたかった―――――――………
【 草 笛 】
洗練されたのではない音に、剣心はふと立ち止まった。
それに数歩遅れて薫と弥彦が立ち止まり、進んでしまった分後ろにいる剣心を振り返る。
「剣心、どうしたの?」
「いや……」
買ったばかりの味噌を肩に担いで足を止めた剣心に、薫と弥彦は顔を見合わせる。
一陣の風が吹き、それから、風に乗って運ばれた響く音に気付く。
その音は笙や龍笛、篳篥のようなものではない。
時折掠れた音を含ませながら、途切れ途切れに繋いで空気を振動させている、それ。
不器用さを表すような途切れ勝ちの鳴き音は、素朴でいて、懐かしさを感じさせた。
さらさらと川の流れの音のみが聞こえてくるのが常であった川辺に、少しだけ違う色が添えられている。
それは決して川音を邪魔する事はなく、風の音を嫌う事もなく、ほんの少し寄り添うように存在していた。
ともすればこのまま風に乗り、川の流れに乗り、彼方へと流れて行ってしまいそうな。
この、音は。
「草笛………」
呟いたのは、弥彦だった。
それがどうという事ではなかったが、なんとなく剣心は足を止めてしまっていた。
恐らく、この草笛の音が、酷く寂しそうな音に聞こえたからだろう。
途切れ途切れの音は、この草笛の奏者が決して上手ではない事を知らしめている。
けれども寂しさを感じさせるのはそういう所ではなくて、途切れた合間に吹く僅かな風が運ぶもの。
既に暑い夏を迎えようとしているのに、ほんの一瞬、その風は冷たさを感じさせていた。
まるで置き去りにされてしまった冬の名残のように。
……もう、春も終わりに近いのに。
この音が何処から聞こえているのか確かめたくて、剣心は土手下を流れる川原に目をやった。
案外早く、その音の主は見付かった。
一つ大きな岩の上に浅く腰掛けた、白半纏に黒で染め抜いた“悪一文字”。
吹き抜ける柔らかな風に棚引く赤い鉢巻は、自己主張するように揺れる。
遠目に見ても目立つだろう成り立ちは、其処にいるのが誰なのか、はっきりと教えていた。
「………左之……―――――――」
此方の所在には気付いていないのか、いつもの釣りあがった勝気な目が此方を向く事はなかった。
声をかければ、直ぐにあの威勢の良い粋な声で「よう」と片手を上げて気楽な挨拶をしただろう。
しかし如何してか、剣心も薫も、弥彦でさえも、そうする事を憚られてしまった。
他者から見て随分と自堕落と呼ばれるだろう生活を送っている彼だが、いつも背筋は真っ直ぐに伸びていた。
何があろうと何が起ころうと、誰の前だろうと怯まない、曲がった事が大嫌いな彼。
人懐こい大型犬のような、気位の高い猫のような、飄々として見せる彼であるけれど、
長身を天に向けて真っ直ぐに伸ばすその体は、彼の生き様をそのまま映し出しているようだった。
その背中が今日は、少しだけ傾いている。
長身故に周りを見る時は少しだけ見下ろす姿勢を取る彼であるが、今日はそれとは違う。
少しだけ寂しそうな、道に迷った子供のような………頼りない、背中。
「………草笛、あいつが…?」
弥彦が不思議そうに呟けば、薫も首を傾げる。
凡そ“草笛”と“左之助”という像が想像出来なかった。
そして何より、あの寂しそうな背中が見知った青年のものであると、直ぐにはピンと来なかった。
何をするでもなく見つめていると、また草笛の音。
途切れ途切れに、それでも飽きる事無く響く音色。
たった一つの音だけを、繰り返し、繰り返し。
三人はしばらくそれを聞いていたが、何度目か、プツリと草笛の音が切れ。
風が吹き、ふわりと一枚の緑が舞い飛んだ。
「……お…………」
ほんの少し、左之助の右手がそれを追い駆けるように動いた。
けれども右手は緑に届かず、気紛れに泳いだ緑はさらさらと流れる水面に落ちる。
持ち上げられた右手は少しの間彷徨っていたけれど、やがて腰掛けた岩へと下ろされた。
緑はさらさらと水面の上を滑って行き、二度と風に舞うことはなかった。
風は緑を浚おうとはせず、運ぶ水面を後押しするようにほんの少しさんざめく。
左之助は立ち上がりもしなかったし、頭を動かして緑を追おうともしなかった。
顔は此方を振り返る事はなかったから、視線で緑を追い駆けていたかも知れないけれど。
左之助は其処を動くことはなかった。
近付くことを、干渉することを、拒絶した背中だった。
図々しいくらいの人懐こさは其処にはない。
踏み込むことも、踏み込まれることも、その背中は拒んでいる。
“斬左”の時とは違う。
道に迷っていた時とも違う。
我武者羅に、自分の力だけで突き進もうとしていた時とも、違う。
迷子になった子供のような、泣くのを堪えて強がる子供のような。
いつも真正面からぶつかり、怒り、笑う左之助の姿が今だけは、酷く儚い翳に見えた。
流れて行く緑は、既に見えなくなっていた。
掴もうと追い駆けた右手は、何を求めようとしていたのだろうか。
やっちゃった……なるろ剣小説。人生初。左之助ラブで行きます。
左之助メインでイタタな話になる予定。弱り左之で。
ものっそい強行軍でした。
前日の21時半に家を出て、駅裏で夜行バスの到着待ち。
近くのコンビニで飲み物と食べ物、CDプレーヤーと携帯充電の乾電池を購入。未だに使ってる音楽機器はCDプレーヤーなのです。最早意地。
バスが到着して乗り込むと、財布と食べ物と暇潰し用具は別に持って荷物を預けました。
バスの中で消灯時間になると、まー暇を持て余します。只管CDを再生し、なるべく光が漏れないように庇いながら携帯を弄くる。ワンピのモバゲーまで始めてしまった。寝付けないのです、ああいう場所だと。ただでさえ寝つき悪いのに……酔わないのが唯一の幸いでしょうか。
何度か寝ることは寝たものの、30分から1時間で目が覚める。まぁ、夜行バスってそんなもんだ。結局17日の2時以降は寝る気にもならず眠気もなかったので、背筋を頑張って伸ばして前方の窓から外を見る。おー明るくなってくーと一人で地味に楽しんでました。
東京駅に着くとすぐに浅草橋へ向かい(何処も開いてないしね。)、しかし到着した時刻は未だに8時過ぎ。飯屋を探してウロウロ、マック発見。24時間マックってあるんだ、知らんかった……まぁ東京だしなぁ。
朝マックを食べ終わったところで、時刻は9時。
早過ぎ早過ぎと思いつつイベント会場の方向へ向かうと、同日開催のワンピのイベントに来た人と合流し、延々話をして過ごしました。ワンピは自分も好きなので、わいわい話せて楽しかったです。ゾロ受スキーですけど…。別ジャンルの方とお話するのも楽しいもんですね♪
10時になって会場入りして、えっちらおっちら準備です。そろそろ本の並べも慣れないとなーと思いつつ、どうしようかとズルズル悩む。
どうにか準備も終わったところで、恒例と化している腹のグルグル現象……いい加減に慣れろ俺ェ!! 今までのようにトイレに篭る程じゃなかったです……。なんだろうアレ…緊張だよな、どう考えても…。
持って行ったのは新刊、既刊全部です。今回はちゃんと搬入させて頂きました。流石にもう自力で抱えて行く気にはなりません。この癖なんとかしないとな…
“空白のひかり”は前後編と一緒に買って行かれる方が多かったです。以前に前編を買って下さっていた方には、本当に発行が遅れて申し訳ない! ……プリンタと一緒に自分が病院送りとは思わなかった……いや、本当に…心配とご迷惑とお手間かけさせてすいませんー!!
“空白のひかり”で焔空の絡みを気にされている方がおられまして、あー明記しとけば良かった……と今更後悔。こちらの焔空はキス止まりです。えちは三空だけですー。
“Der Marz eines Buffets”は私の完全な趣味の代物です。えっちらおっちら書いて行きます。表紙の背景は使いまわし(汗)。三空に外伝メンバーが出張ります。原作メンバーは何処で出そうか検討中です。
ところで、三回目のオンリーとなって無料配布小説もvol.3となりましたが、これっていつまで書いたらいいかな? 三回目になると習慣付いてて、書かないと落ち着かない自分もいるのですが……前日か前々日くらいに製本作業してると、あー始まるなぁって気がして。こちらも通販オーケーです。他本の申込みと一緒に書いて下されば、一緒にお送り致します。
イベント開始1時間後、スペースから脱走したくてしょうがない(コラ!!)。
一般参加の方々の波が収まった頃、ウキウキしながら脱走しました。目当ての本をもっさり買ってスペースに戻りました。
お声をかけてくださった方々、ありがとうございました! 挙動不審な子でごめんなさい…!!
三空オンリーのイベントが一つ終了したので、今年の夏はどうやって乗り切ろうかと思っていたのですが、腹括って大阪行こうかと思ってます。大阪なら移動賃も時間も半分で済むし。そして兄貴のトコに転がり込む。ついでに天王寺の動物園行きたい。
“Der Marz eines Buffets”も書きたいし、発行したい本は幾つかあるので(切っ掛けがないと動かんのですよ、私…)。
がんばろー!!
ここから東京巡り。
イベント終了後、東京駅で空いてるコインロッカーを探してウロウロ。相変わらず迷子になりながら(何処が何処に繋がってるのかいまいち把握できない…)、ようやく発見したコインロッカーに運良く一つ空きがあり、でかい荷物を突っ込んで東京観光に出発。
一回目は品川水族館、二回目はサンシャイン水族館。葛西臨海水族館は遠かったので時間的にキツく、今回は上野動物園へ行く事に。
見事な晴れ空となった炎天下の下、動物園への道をノロノロ登る。昼飯を食ってなかったので、腹が減ったなーと思ってる所、チョコバナナを発見。地元の祭りでも滅多に見ないので食べたことがなく好奇心もあって買ってみました。「食べたことないんですよ」と言ったら、出店の兄ちゃんに「え、本当に? 何処から来たの?」と食い付かれました。折角だからと大きめのを貰って、味はチョコとイチゴの二つにしてもらいました。二個味ってあるんだーとそっちに関心。
初のチョコバナナにウキウキしつつ、頭の中は「チョコバナナネタ書こうかな…」という腐った方向に進行。
のんびり歩いていたら、上野動物園に到着したのは入園終了ギリギリの時間でした。
1時間しか見られない上、パビリオン等は16時半には展示終了するので、なるべく効率良く目当ての動物の所に行く事に。
………が、ド頭から蹴躓く。
パンダとレッサーパンダのパビリオンで、人が固まって動かない。警備員さんの声が耳に痛かったです……
写真を撮ったら自分はさくさく移動。鳥を横目に見ながら、ライオンと虎を見て、これも撮ったらさくさく移動。ゆっくり見れる時間でもなかったし……
が、アザラシのところで私も思わず止まる。
子供がいる―――――vvvvv
まだ上手く泳げないらしい子供は、水の中に入るのがちょっと怖いようでした。周りを親が泳いで「おいで」と言ってるようです。行きたいけど怖い、みたいな感じで迷うアザラシの子供に、「がんばれー!」の声。
デジカメを録画機能に移した所で、子供が泳ぎ出し、周りからは于嬉しそうな歓声。
泳ぎだした子アザラシに、大人のアザラシ達が集まってました。でも一番近くに行くのは一頭だけで、あれはお母さんだったのかな? 他の大人達も近寄りたがってましたが、威嚇してました。
可愛いなぁ〜………
一通り撮って気が済んだので、次に進んで、其処からはまたサクサク行きました。
途中で“ナマケモノを見つけてね”という看板がありましたが、ぐるっと探すだけで終了。時間ないから……
動物たちとの距離の近さにびっくりです。手を伸ばしたら届きそう。や、届きませんし、やりませんけど。
ふれあいコーナーはもう終了していたので見られませんでしたが、初めて来たので取り合えず今回は満足です。
土産は全部食いモンでした(笑)。だってマグカップとか買ってもねぇ……実用性あるけど……
父の日だったのを姉貴からのメールで思い出されたので、親父用にお菓子詰め合わせを買いました。
動物園を出た後、不忍池を駅へ向かっている途中、アイスキャンデーを売ってるのを発見。懐かしいのでパイン味で買ってみる。陽射しも傾き始めていたので丁度良かったー。
歩き通しで休みたくて座れる場所を探していると、不思議な人発見。レコーダーの音楽や言葉に合わせて踊ってます。それを見ながら、植え込みの石垣に座ってアイス食べてました。途中からデジカメにも撮って、姉貴に見せることに。携帯のテレビ電話機能が使えたら良かったんだけど、姉貴の方がその辺の機能を把握してないので……
しかし、あの人はおじさんだったのかおばあさんだったのか……。化粧で全然判りませんでした。遠目に見るとおばあさんだったのですが、そういう風に化粧しているようにも見えたし。
演技の途中で、見ている人が缶ビール渡しに行くのには笑った。しかも飲んでた。
アイスキャンデー食べながらデジカメに撮ったので、時々画面から意識を外していたもんで、撮れた画像には少々可笑しな所が(笑)。食い意地張ってたな……
上野を出た後は池袋へ。そろそろ道は覚えて来ました。
同人誌をもっさり漁り、姉貴の土産(これも恒例だな)に浄八本も購入。何が良いのかいまいち判らないので、表紙買いです。
同人誌と上野動物園の土産を持って、さてどうするかと悩んだのは時刻19時。夜行バスは21時半なので、せめて21時前までは暇潰さないとと思ったのですが、この時点で足がギブアップ……池袋駅前の交差点で姉貴に電話。特に用事もなく(めーわくな…)。
長電話できるタチではないので、話した時間は精々10分でした。それも私にしては長い。
飯食ってのんびりするという手段もあったのですが、一人で喫茶店に長居というのも苦手です。
結局東京駅へ戻り、荷物を取り出した時には20時になっていて、駅の地下で食事。物価が高いね、東京って……
帰りの夜行バスは、乗ってすぐに寝たものの、やっぱり1時間後に起きました。行きと同じく寝て起きてを繰り返し、岡山周辺でテーブルを出して其処に突っ伏して寝ました。起きたのは2時間後で、福山に着いてました。……やっぱ突っ伏した方が寝れるんだ、俺。
7時に到着の予定でしたが、スムーズに進んで6時半。ちょっと早いから大丈夫かなーと思いつつ、母親に迎えに来てもらいました。
家に帰り付くと、わんこがものっそ尻尾振ってました。うん、嬉しい。可愛い(親バカ)。でも散歩の催促は他の人にしてくれ……
後はシャワー浴びて、部屋に行って爆睡。起きたのは、姉貴がボランティアから帰った14時でした。
後は飯食いながらごっさり同人誌を読んでました。
無茶したなぁ、自分………
時間に余裕があったら、原宿にも行こうとしてました。
23日
前日(22日)から徹夜。
コピー本の印刷に奮闘するも、プリンタコピーはやはり遅い……
結局途中でコピーは諦め、無料配布をコピーし、姉貴に製本作業を手伝ってもらいました。
ついでに間に合わせ(滝汗)ですがスペース内が薄ら寒いことになりそうだったので、ラミカ精製。
朝、姉貴の出る時間に合わせて家を出発、予定時間を微妙にオーバーするも、新幹線には無事乗れました。
乗る前にサンドイッチと苺ジュース、コーヒーゼリーを買うも、スプーンつけ忘れられていました(泣)。
その後ゼリーの事はすっかり忘れ、新幹線内では終始寝倒して過ごしました。
東京に着くとキン○ーズを探して渋谷を4時間歩き回る……地図印刷してくるの忘れたんだ…
ボランティアに捕まったり、変なにーちゃんに声かけられたり面倒ったらありゃしねぇ…
葛西臨海水族館行きたかったんだけど、結局それは出来ないまま、キン○ーズに到着。
残りのコピー本のページを印刷し、ちょっと痛い出費…
朝のサンドイッチだけでは無論私の胃袋には足りない上、それから呑まず食わずで歩き通し(燃費悪いのになんでそういう事するかな)
適当に店を見つけて生姜焼き定食を頼むも、何故か突然嘔吐感に見舞われる。
「肉残してたまるか!」と一人自分を奮い立たせて間食。
今思うと、アレって胃がびっくりしたんかな……
くわさんの所へお邪魔すると、荷物を置いてバー○ヤンへ。
その前の嘔吐感もあって珍しく気をつけつつ、ラーメン一杯で終了(でもくわさんが頼んだものちょっと貰った)。
食い終わった後はくわさんと色んな話で盛り上がる。此処暫くで一番盛り上がる。
くわさん宅で製本作業(すいまっせーん!!)しようとしたら、コピー本の表紙印刷が左右逆(爆)!
近くで紙を買って印刷させて貰い、ようやく製本開始。
“相棒”見ながら、同時発行のオフ本よりページ数が多いコピー本に一人突っ込みを入れながら作業。
終わると明日に備えて寝かせて貰いました。
24日
携帯が4、5回鳴ってようやく起床。
のろのろ起きて仮面ライダーを見て、テニプリのOVAを見て、8時に出発。
駅への道を寝惚けか通り過ぎ(なんであの道間違えたんだろう…)、会場に向けて電車に乗車。
緊張し過ぎなのか途中で腹が痛くなり、目的駅と会場でしばらくトイレに篭りました……
オンリー開始前から周囲が憧れのサークルさんばっかりで、ガチガチになる私。
開始してからいつ抜け出そうかばっかり考えてました(爆)
結局30分に一回の頻度で抜け出すという、やる気ないような状態になりました…す、すいませ…
開始から一時間ほどで6月のオンリーで一緒に回って頂いた方と再会。
「こっち(サークル参加)来ちゃいました」としばしお話しておりました。
お隣のサークルさんには色々とご迷惑かけました…あああああ、ごめんなさぃいいい!!
物倒すわ落とすわ、ガムテープ貸して頂いたり……お世話になりました。
また、来て下さった方、本を手にとって下さった方、ありがとうございました!
オンリー終了後は何処行く事もなく、帰路へ。
くわさんと合流してメイトに行った後、久しぶりのカラオケへ。
ジョイだった事にちょっと物足りなさを感じつつも、久々なので浮かれてました。
私は“WILD ROCK”で始め、その後“うえきの法則”“スクライド”“BASARA2”等。
私が最後に歌ったのは“Tresure”(寧ろ三空)でシメ。
くわさんのテニミュの歌、私、笑い倒しだった気がする。
帰ると荷物を置いて昨日と同じくバー○ヤンへ。
いつも通りに飯食いました(笑)。
ご飯モノ一つ頼んでおきながら、更にチャーハン食って餃子5個。
そういや、昼飯も食ってなかったな(だから燃費悪いくせに略)。
くわさん宅へ帰ると、原稿アシスタント。切り張りしか出来なくてごめんよぅ…
朝も見させて頂いたテニプリOVAを聞き(笑)、ラジプリも聞いてました。
原稿の私が出来る所を終えると、テニプリのゲームをプレイさせて貰いました。
相変わらずの総兄一直線、最初から最後まで向日岳人君で!
プレイするうちに段々岳人が可愛く見えてきて、岳人の発言が私のドツボにストライク…!
直球ど真ん中勝負な子に弱いんだ、俺は! 一体何回悶え死んだ事か…
最後に岳人の嫉妬心で一度撃沈するも(でも可愛かったからいいやv(笑))、そのままもう一回プレイ。
25日
学プリをクリアした時は既に明朝6時になってました(笑)。
クリア時の岳人の台詞やら言動やらにきゃーきゃー悶え死に(ナチュラルハイもあったと思う。)
次にテニプリの合宿編DVDで、前に聞いた「カエルを怖がる氷帝メンバー」を見せて貰いました。
やっべー、がっくん可愛いぃぃぃぃぃ!!! なんだあの子、なんだあの動き!!
練習試合で跳ね回る岳人にきゅんきゅんしながら見てました。
その後はOVA3巻の鳳と宍戸を聞いて、じわりじわりと感染されております。たーのしぃ♪
しかしジャンプで敵キャラ好きになると辛いっスね……
ジャンプの流れというか、…展開については大体ね…、でもキツイね、これ……
そして11時までテニプリを見させて貰い、当初の予定よりかなり早くくわさん宅を出ました。
“慣れない場所では一度絶対道に迷う”“迷ってもろくに確認しないで記憶だけ頼りにウロウロ”“余計に迷う”“気付いたら時間ばかりが過ぎる”という学習能力ゼロな自分の所為で……すんませ…
駅まで送ってもらって、くわさんと別れました。
三日間ありがとー!!
帰りは一番遅くて19時の新幹線と見積もって、またアバウトな予定で歩き回りました。
先ず姉貴への土産(?)でまん○らけへ行くも、まっすぐ行けば着くっつーのに何故か道に迷う(オイ)。
迷うというか、通り過ぎかけたと言うか……階段を上れよ、俺。
そしてよっしゃ水族館だ! と行こうと思ったら、荷物を預けたコインロッカー前でトラブル発生。
外国人(日本語カタコトした)のご夫婦がロッカーが作動しなくて困っていて、駅員さんを呼びに。
ちゃんと解決できたかどうかは正直怪しいのですが、30分ほど其処で駅員さんとご夫婦さんの間で話し合ってました。
一段落着くとお二人は街へ行き、私は荷物を出して水族館へ向かいました。
疲労と寝不足で電車内で度々意識を飛ばしつつ、なんとか水族館へ。
イルカショーがあったので即行でスタジアムへ向かいました。
デジカメを最初から最後まで構え、全部録画してました。
ズームアップとか引きとか無駄に凝ろうとしてた自分がいます(ダメダメでした。)。
ショーが終わると館内を回り、しながわ水族館太郎君(そんな子いない。判る人だけ判るネタ)と対面。
イルカも可愛いけど、アザラシも可愛いね。
全部回ると、お土産購入。
一応バイト先の分も買ったら、これまた結構出費。
お菓子以外には家族用にストラップ買っただけです……
自分個人でぬいぐるみが欲しかったけど、結局諦めました……
新幹線に乗るまで「寝るな寝るな寝るな寝るな」と自分に繰り返し言い聞かせ。
それも新幹線に乗ると途切れ、ものの数秒で意識は飛んで行きました。
その間に姉貴から電話がありましたが、私ゃ完全に爆睡。
二時間後から駅に止まる都度に目を覚ましつつ、やっぱり最後まで寝倒し。
帰ったら迎えの車を運転していたのが姉貴で、思わずちょっと引き攣った…
姉貴は一週間前に免許を取ったばっかりです(ぅわぉ。)。
慎重すぎるくらいが今はまだ丁度いいですね…
家に帰ったら、カレー食ってすぐ寝ました。寧ろ意識が飛んだ…
くわさん宅で貰った種はすっかり根付いておりますよ(笑)。
明日は一週間前に借りたビデオを返す日なので、その際テニプリDVDレンタルします。
がっく〜〜〜ん!!!
くわさん、原稿頑張って…!