例えば過ぎる時間をただ一時でも止められたら。 忍者ブログ
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気紛れな君 携帯




普段はあんなに威嚇するのに、
寝ている時は無防備なんて。

……気紛れだねェ、本当に。





京一、最初は座布団を枕にして寝てたんです。
それを八剣がころんと転がして、膝枕。
起きるかなーと思ってたら、起きずにかーかー寝てる京ちゃん(笑)。

八剣×京一でほのぼの描きたいと思って、こんなの出ました。


なんとなく、八剣の部屋は畳だと思ってます。
……龍麻の部屋も畳の設定にしてなかったか、自分。



線太いな。線画、A5サイズで描いたからな(細い時はA4に描いてます)。

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気紛れな君




普段はあんなに威嚇するのに、
寝ている時は無防備なんて。

……気紛れだねェ、本当に。





京一、最初は座布団を枕にして寝てたんです。
それを八剣がころんと転がして、膝枕。
起きるかなーと思ってたら、起きずにかーかー寝てる京ちゃん(笑)。

八剣×京一でほのぼの描きたいと思って、こんなの出ました。


なんとなく、八剣の部屋は畳だと思ってます。
……龍麻の部屋も畳の設定にしてなかったか、自分。



線太いな。線画、A5サイズで描いたからな(細い時はA4に描いてます)。

小説一覧



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短編 ↑old ↓new

真実となりえた虚構、虚構となった真実
抱えて一人、生きていく。
剣心、左之助


兆し
今はまだ、この手の届く場所で。
左之助一家、幼少期(菜々芽捏造)


未来へ
“帰って来るよ”と、言いたかった。
隊長、仔左之。原作二巻ベース


幼心に、棘一つ 前編 後編
嬉しいのに、羨ましくて。
隊←→仔さの←子克。やきもち子供達。


喧嘩両成敗
どちらが悪い、悪くないなんて、ない。
左之助一家、幼少期(菜々芽捏造


幸せのかたち
一番にはなれないから、せめて。
子克→仔さの。誰にも言わない。


夢-虚像-幻-偶像
追い駆ける背中の、本性は。
隊長×仔さの。ダーク隊長。


迷い路
動かない、動けない、進めない。
隊長→左之助。幽霊。


長編

【草笛】
幼い頃に教えてもらった音色。今もまだ、その音は綺麗にならなくて。
隊長絡みの弱り左之。
       (幕間一) 捌 玖 拾

【相楽少年記】
身体だけ子供になってしまった左之助。果たして元に戻れるのか?
とにかくチビ左之が皆に構い捲られる話。
神谷道場編 

10 手は繋げども婚姻の縁はつなげない













誰にも触れさせたくない、けれど。
永遠に繋ぎ止めておく術も、ない。










寒くない寒くない、と子供は言う。
生まれが生まれなだけに、冬の寒さに慣れているのは事実だろう。

それでも素手で雪遊びをすれば指先が悴み、霜焼けになる。
遊んでいる間は気にならないだろうが、後々の痛み痒みと言ったら。
それを判っていても遊びたがるから、子供が子供たる由縁なのか。


積もり積もった雪の中で朝から遊んでいた子供が二人、それにつられた大人が数人。
子供の片方は早々に根を上げ、雪遊びで感覚のなくなった手を湯に浸けていた。
大人もちらほらと湯に当たっていたが、子供のもう片方は遊びっ放しだ。






「左之助、そろそろ終わりにしろよ」






克浩や隊士達が幾ら言っても止めないので、案の定、お鉢が回ってきた。
ぴくりと反応した左之助は、取り合えず手に持っていた最後の雪球を勢い良く投げ、振り返る。






「まだ遊び足りないとは思うが、な」
「や、気ィ済みました!」






言って、左之助は冷たくなった手に息を当てる。
指先が真っ赤になった手は、それだけでは感覚を取り戻してくれない。


克浩が桶を持って立ち上がる。
最初は湯気を立てていたそれは、今はすっかり冷えて水になってしまった。

ちょっと待ってろよ、と克浩が言って、宿の奥へと歩いて行く。
それに短い返事だけをして、左之助は縁側に上がった。







「左之助、おいで」






縁側の縁に腰を下ろそうとした左之助に手招きする。
左之助はしばしきょとんとした顔をしたが、素直に此方に近付いてきた。

縁側よりも部屋の中の方が暖かい。
火鉢もある。
障子戸を閉めるように言うと、すっかり部屋の中は温もりだけで閉じ込められた。


自分の直ぐ前に座るように示すと、これも素直に言う事を聞く。



間近で見た左之助の手は、赤く、触れれば酷く冷たくなっていた。







「随分遊んだな、左之助」
「そっスか?」
「手が冷たい」
「隊長は、あったかいです」
「それはお前が冷えているからだよ」






左之助の言葉に眉尻を下げて言えば、そうですか? と左之助は首を傾げる。

元気が良過ぎるのも考えものか。
思いながら、相楽は左之助の手を両手で包み込んだ。







「た、隊長、何してんスか」






真っ赤になって慌てる左之助。
いつも自分から遠慮なく手を伸ばしてくるのに、此方がこうして触れると焦る。
今更着にする事でもあるまいにと相楽は胸中で一人ごちた。

克浩が帰ってくるのを、まだかまだかと言うように、左之助はきょろきょろと首を巡らせる。



閉じ込めた手の中、冷たくなった小さな手。
いつもの熱さが嘘のように、今はまるで凍ったように思える。

だから素手で雪遊びはしない方が良いと忠告したのに。
慣れているから平気です、なんて言って、飛び出していくのだから困ったものだ。


包んだ手の温もりを分け与えるように、擦る。
左之助はまた慌てた顔をしたが、結局何も言わなかった。
手が酷く悴んでいる事に、ようやく自覚が沸いたらしい。





とたとた足音がして、克浩が戻ってきたのが判った。
左之助がそれに気付いたのと同時に、手を離す。

一瞬、左之助の手が彷徨ったのは判ったが、気付かない振りをして障子戸を開けた。







「すいません、隊長」
「いいや」
「ほら左之、早くこれに手浸けろ。足も出せ、蒸すから」







運んできた湯に手拭を浸しながら、てきぱきと指示する克浩。
左之助は素直にそれに頷いて、足を克浩に預け、桶の湯に手を浸ける。


冷気が部屋に馴染まないうちに、相楽は障子戸を閉めた。
火鉢の傍に腰を下ろし、じゃれあう子供達を眺める。












冷たく悴んでいた手は、もう殆ど子供本来の熱を取り戻しているだろう。


その手を、ほんの束の間、閉じ込めることは出来るのに。
それ以上には進めない。














最後の最後で悩んだお題でした。
婚姻て……(滝汗)!!

隊長、結婚してるもんねぇ。
照さん関連の話もいいかと思ったけど、如何せん資料が見付かりませんでした(泣)。

09 いつまで一緒に居られるのだろう











この手がいつまで此処に在るのか。
この手が、いつまで届くのか。

不安に思うよりも、先に。










子供特有の熱が、手袋越しに伝わってくる。
同じ子供でも、克浩はこんなにも熱くはなかったと思うのだけれど。
でも、この子供の手が冷たい事も想像がつかなかった。

恥ずかしそうに照れ臭そうに、でも嬉しそうに、子供らしい力で握られる、己の手。
決して綺麗とは言えない自分の手を、宝物のように包んでくれる、小さな掌が愛しかった。



見下ろせば、見上げる瞳とぶつかって、







「寒いっスね」






その言葉に、そうだなと返す。

寒い。
でも、繋いだ手は暖かい。


吐く息が白くて、それが益々体感温度を下げるような気がした。






「早く、春になって欲しいっスね」
「…そうだな」






春になれば、山の行軍も幾らか楽になるだろう。
でも、その頃になっても、繋ぐ手は変わらないのだ、きっと。






「克が寒い寒いって、煩いんですよ」
「お前は、寒くはないか?」
「オレぁ平気っス」






にっと笑って、寒さの所為か照れ臭さか、紅くなった鼻頭を掻く。
繋いでいた手を、ぎゅっと握れば、嬉しそうに握り返してきた。



握れば握り返してくる、小さな手。
まだ子供らしく柔らかさを残す、幼い手。

その手がとても愛しくて。





―――――――でも、きっといつかは手放さなければならないのだろう。




近い日か、遠い未来か、それは知らない。
知らないけれど、いつまでもこうして手を繋いでいる事は出来ないだろう。
子供の成長は、遅いようで、早いのだから。

大人になれば庇護など必要なくなるし、左之助も己の道を探すようになる。
今は盲目的に自分の事を慕ってくれるけれど、その内、もっと外の世界を見るようになる筈だ。


出来る事なら、それを妨げてしまいたいと思う自分は、なんて身勝手なのか。



いつかこの手は大きくなり、必然、相楽の手から離れていくだろう。
それを、いつの間にか惜しく感じて、このままでいたいなんて。








「隊長?」








不思議そうに呼ぶ声に、なんでもないよと微笑んだ。
左之助はきょとんとして首を傾げる。

そんな左之助の右目の上、瞼に口付けを落とす。







「隊長、どうかしたんですか?」






触れ合い程度にしか、意味を理解していない子供。

なんでもないよともう一度言って、また口付ける。
左之助はくすぐったそうに笑って、繋いだままの手にまた力を込めた。











いつまで、一緒にいられるだろう。

いつまで、この手を繋いでいられるだろう。




出来る事なら、ずっと離さないでいたいと願う。















左之助は“ずっと一緒にいる”ともう決定事項的に思ってるかと。
まだまだ子供なので。