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雁字搦めに閉じ込めて
壊れてしまったっていいよ
その瞳に僕が見えなくても
それで君が手に入るなら
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需要があるのか知りませんが、描きたいので描いた龍治×京一。
龍治×京一の最終的な形は、私の中ではこんな感じです。
……京一、正気じゃないじゃないか……
龍治が女の子に見える……あれ、これって百合!?(滝汗)
下書き段階では、京一が目隠しされてたり、触手(!?)があったり、裸だったり……
色々あった末、無難なところで落ち着きました。
龍治は最初から最後まで裸のままでしたけど。
表情アップ
雁字搦めに閉じ込めて
壊れてしまったっていいよ
その瞳に僕が見えなくても
それで君が手に入るなら
需要があるのか知りませんが、描きたいので描いた龍治×京一。
龍治×京一の最終的な形は、私の中ではこんな感じです。
……京一、正気じゃないじゃないか……
龍治が女の子に見える……あれ、これって百合!?(滝汗)
下書き段階では、京一が目隠しされてたり、触手(!?)があったり、裸だったり……
色々あった末、無難なところで落ち着きました。
龍治は最初から最後まで裸のままでしたけど。
表情アップ
何処が良いのかと言われると、正直言うとよく判らなかったりする。
それは“なんとなく”と言う意味ではなく、示す答えが多すぎて、絞れないのだ。
強さに惚れた。
これは確かだ。
仮にも自分達は“墨田の四天王”であり、そこそこ名も有名で、強さも自慢できたと思う。
名を聞いただけで恐れ戦く連中もいた訳だから、決して伊達ではなかったのだ。
しかし、あの人はその上を行く。
先ず複数対一と言う状況に躊躇いもしなければ、遠慮なく相手を叩き伏す実力がある。
吾妻橋達に至っては、まるで本気で相手にして貰えた事がない。
彼が愛用の木刀を使って自分の相手をした記憶は、終ぞ吾妻橋の中に見当たらなかった。
それは少々悲しかったりするのだが、つまり、彼はそれ程に実力を持っているのである。
容姿に惚れた。
…変な意味ではない。
勝負以前に相手を射抜く、鋭い眼光。
自分の優位を揺るがせない、絶対の自信を浮かべた笑み。
歌舞伎町内でもそこそこ美形だと言われている。
その整った面立ちは、時に冷たい光を帯びたようにひたりと動かなくなったり、時に子供のように崩れたりする。
学友と過ごす時にはふざけあったり、『女優』で過ごす時には偶に赤くなったり。
最初は吾妻橋を莫迦にしていただけだった顔は、次第にその波紋に浸るようになった。
初めて笑いかけられた時などは、口から心臓が飛び出るなじゃにかと思った程である。
性格に惚れた。
これも間違いない。
ぶっきら棒な顔をして、何事にもシビアな意見を持つのに、その内心は情に厚い。
人を突き放すのは素直でない優しさの裏返し、“足手まとい”は“巻き込みたくない”に近い。
恨まれるのを承知の言葉選びは、相手を気遣わせない為。
友人知人が危険な目に遭っていると聞けば、何処にいようと探し出す。
相棒がいなくなった時にも、彼は吾妻橋を引っ張り出して、遠い場所まで探しに赴いて見つけ出した。
吾妻橋達がチンピラに囲まれている時も、何処からか現れてはそれらを蹴散らして。
礼を言えば、赤い顔を隠して、なんでもない事だと言うのだ。
ラーメン一杯でチャラな、と笑って。
ざっと上げてみたが、この中のどれが一番割合を占めているのかなんて判らない。
吾妻橋にとっては全てが魅力的であり、惹かれて已まないものだ。
どれかに絞って、明確な答えを出せというのが甚だ無理な話だった。
ああ、でも。
あの声が一番、好きなのかも知れない。
どんな異形を前にしても、躊躇わずに響くあの声が。
「―――――――行くぜ、吾妻橋!」
だから、例えあの人が何処に行こうと、其処に何があろうと、
一生、この人について行こうと決めたのだ。
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京ちゃんのあの台詞が大好きです。
ゲームでもアニメでも、外法でも、言われるとやる気が出ます。
アニメ終局戦前に毎回言ってくれたのが凄い嬉しかった。
吾妻橋達は、どっちかって言うと「行くぜ!」より「もっと飛ばせ!」とかの方が言われてますね。
今ではすっかり、“歌舞伎町の用心棒の舎弟”が板について来た吾妻橋ではあるけれど。
これでも一応、京一に負けるまでは“墨田の四天王”の一角としてそこそこ有名だったのだ。
となると、その筋の連中にはそれなりに顔も名声も知れ渡っている訳で。
「お前みてェな奴が、あんなガキの下についてるなんざァ勿体ねェな」
他のメンバーと共に、路地の裏手で乱闘をした後。
全員を地面に静めた所で、恐らく連中の上にいるのだろう人間が物陰からひょっこりと顔を出して、そう言った。
高い身長にガッチリとした体格、裂傷だらけの顔。
吾妻橋の右半身も大層な事になってはいるが、恐らく、男の傷は見えない場所にも無数にあるのだろう。
そう思わせる程、男の放つオーラは尋常なものではなかった。
が、生憎、吾妻橋はその程度で怯える程小さい心臓をしていない。
それもこれも、敬愛するアニキ分とつるんでいる内に鍛えられたお陰だ。
煙草を吹かしながら、明らかに堅気でないだろう男はゆっくりと近付いてくる。
「墨田の四天王をナマで見たのは初めてだが、こりゃあ大したもんだ」
「そりゃありがとうよ。んじゃ、其処退いてくれるか」
鉄パイプを肩に担いで言えば、いやいや、と男は含みを持たせて笑う。
「まぁ、ちょいと話を聞いてくれよ」
「どーせお宅の組入れとかの類だろ。興味ねえんで、俺らァ行くぜ」
その手の話なら、今までにも何度か来た事はある。
以前はそれを、何処に属する気もないからと断っていた。
応じる気がないのは、今でも変わらない。
しかし、相手側からすれば今と以前とで、吾妻橋達の立場は僅かに変わっている。
何処に属するでもなく、同時に幅を広げていた墨田の四天王が、“歌舞伎町の用心棒”の舎弟になった。
他者につく気になった―――――と言うのが、周りから見た認識だ。
ならば、どうにかして此方側に引き込む事は出来ないかと、あれこれ画策しているのである。
「幾ら“歌舞伎町の用心棒”っつったって、ありゃあガキじゃねえか。大して得もねェだろうよ」
確かに、それは否定しない。
損得勘定が頭にあっては、高校生の下につく事はないだろう。
だから、吾妻橋達が彼の舎弟になったのは、決して損得勘定ではなく。
「理屈じゃねえんだよ、あの人の持つモンってのは」
例えば、平時に見せる年相応の顔だとか。
例えば、目の前を塞ぐ相手を睨む眼光だとか。
イタズラ好きな子供のような笑顔とか。
学友達と何気ない話をしている時の表情も、威嚇するように吼える覇気も。
吾妻橋はそれを傍らで見ているだけで、惹きつけられて止まない。
強面の男は、判らんなァと煙を吐き出す。
それを見ずに、吾妻橋達は路地を後にした。
そうして、埃だらけの薄汚れた道から抜け出して、
「おう、お前ら。なんか面白ェことねェか」
見付けた光は、強く、強く、眩しくて。
だから、この人について行こうと思うのだ。
暗い世界で、まるで太陽のように生きるから。
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ついて行きます、何処へだって、何処までだって。
鬼との戦いに巻き込まれても、自ら足を志願する墨田四天王。
舎弟の鏡。
ひゅん、と空を切る音がビルとビルの隙間で鳴った。
街灯にさえ忘れ去られた暗い道の中心で、立ち尽くす少年が一人。
それから、少年の足元に転がる男が数人、壁に追いやられていた男が一人。
「おう、無事か? 吾妻橋」
未だピクピクと動いている男の後頭部を、とどめとばかりに踏みつけて。
足元のそれらを一瞬で忘れたような顔をして、京一は舎弟を見遣る。
壁に追いやられていた吾妻橋は、酷い風体だった。
左半身の大きな裂傷は既に見慣れたものであったが、それ以上に、暗がりでも判る青痣が目に付く。
拳大の大きさの青痣は、地面に転がる男達が作ったものだ。
吾妻橋は、自惚れでなく、それなりに腕が立つ。
しかし地面に転がった男達の人数はかなりのもので、流石の吾妻橋も苦戦を強いられた。
京一が途中乱入して来なかったら、今頃どうなっていたか、考えるだけでも恐ろしい。
「へぇ、すいやせん……お手間かけやして」
「オレよか、キノコ達に礼しとけよ。ぎゃあぎゃあ騒いでオレに知らせに来やがったんだ」
「へい」
「折角ムッツリのオゴリでラーメン食えるトコだったのによ」
「へぇ……」
そいつは本当に、と吾妻橋はもう一度謝る。
京一はひらひらと手を振って、もういい、と言外に示した。
その手に滴る色を見つけて、吾妻橋は目を見張った。
「アニキ!」
「あ? ――――うぉッ」
京一の手を捕まえて、ついさっきまで木刀を握っていた手を開かせる。
其処にはべっとりと赤い液体が付着し、それは掌に斜めに走る切り傷から溢れていた。
木刀を握っていた所為だけではないだろう、相当な出血。
確かに、チンピラの一人がナイフを持っていたし、京一は一度それを受け流すために手を犠牲にした。
吾妻橋もそれを見ており、覚えていたが、此処まで深い傷を負っていたとは思っていなかった。
呆然と手を見下ろす吾妻橋に、京一は失敗したと眉間に皺を寄せる。
「……どうって事ねェよ」
言って掴む手を振り解こうとするのを、吾妻橋は許さなかった。
「ねェ事ねェですよ!」
「って言ってるお前の方が重傷だろが」
「あっしのは殴られただけっスよ! アニキは切られてんじゃないスか!」
「此処だけだろ。お前、全身ボロボロじゃねえか」
「俺ァ平気ス!」
オレだって平気だ、と言う京一を、吾妻橋は聞かなかった。
包帯なんて此処にはないし、晒しも巻いていないし、ハンカチやティッシュなんて気の利いたものも持ち合わせていない。
何かないかとジャケットやズボンのポケットを探りに探るが、使えそうなものは見つからなかった。
吾妻橋が何をしようとしているのか察しがついたのだろう。
京一は掴まれた手をどうにか振り払おうと、二、三度手首を捻ってみるが、意外にもビクともしない。
「いらねーよ、いらねーからお前はさっさと…」
「いえ! アニキが先です!!」
病院にでも行け、と言おうとしたのだろう。
それを遮って、吾妻橋の声が狭い雑居ビルの隙間に響く。
舎弟の思いもよらぬ声に驚いたのだろう。
一瞬、京一の肩が跳ねた。
はっと思い立って、吾妻橋は自身のネクタイを解いた。
ケンカの後である事を差し引いても、綺麗な代物ではないが、ないよりはマシだ。
この尊敬する人が誰よりも強い事は知っている。
だから自分が今やっている事は、単なるお節介と大きなお世話と言う奴だ。
それに、自分がこれに気付かなくても、行き付けの病院に行けばそれで済む。
だけども、見付けてしまった。
見付けてしまったら、もう気になって仕方がない。
「……いらねえっての……」
京一が呟いた時には、掌の傷は既に隠されていた。
尊敬している人だ。
その人が信じる剣を握る為の、大事な手だ。
ならば吾妻橋にとっても、大切な手だ。
ぞんざいに出来る訳がなかった。
京一はしばらくネクタイに覆われた手を見て。
汚ェネクタイと呟くのが聞こえて、吾妻橋は頭を下げた。
だから、見えなかった。
くるりと背中を向けて歩き出した京一が、瞬間、どんな顔をしていたのか。
「行くぜ吾妻橋、おごってやっから感謝しろよ」
「ま、マジですかい!? アニキィイイイイ!!」
「抱きつくなっつーの!!」
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たまの反抗だって、愛あってこそ。
うちの舎弟達はやたらと京ちゃんに抱きついてるなぁ……俺と変われッ!!